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気軽に楽しむアフタヌーンティー

アフタヌーンティーの歴史

アフタヌーンティーの習慣はもともとヴィクトリア朝時代の上流階級の社交場から広がったものなので、どうしても敷居の高いイメージがあります。

英国のアフタヌーンティーは1840年頃、第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの婦人である「アンナ・マリア・ラッセル」が男性ゲスト達が狩猟を楽しんでいるあいだに女性ゲストを紅茶とお菓子でもてなしたのがはじまりです。
その後、当時のヴィクトリア女王を中心とした上流階級のあいだに急速に広がっていきました。

詳しくはこちらのブログ記事をご参照ください。

英国のアフタヌーンティー


19世紀の後半には、当時産業革命によって急速に経済力をつけたミドルクラス(中産階級)の人々が、ハイソサエティの象徴ともいえるアフタヌーンティーにあこがれ、中産階級にもこの習慣が広がっていきます。

さらにはロンドンのホテルが、豪華な邸宅や使用人たちがいなくても美しい調度品に囲まれて給仕されるアフタヌーンティーのサービスをはじめるようになり、手軽にアフタヌーンティーを楽しめるようになりました。
20世紀に入ると、現在私達がイメージする3段のスタンドにサンドイッチやスコーンなどが並ぶスタイルが誕生し、さらに多くの人々に広がっていきます。


日本でのアフタヌーンティー

日本に英国スタイルのアフタヌーンティーが広まったのは、昭和46年の紅茶輸入自由化をへてバブル期となる昭和50年代頃です。
日本で初めて本格的なアフタヌーンティーを提供したのは、ホテル椿山荘の「ル・シャルダン」と言われています。
バブル期には多くの外資系高級ホテルが日本国内に開業し、各ホテルがアフタヌーンティーのサービスを提供するようになりました。

まだこのころのアフタヌーンティーは「裕福なマダムが楽しむフォーマルで敷居が高い」印象だったと思います。
しかし、10年くらい前から伝統的なスタイルを打ち破る、新しいアフタヌーンティーを提供するスポットが増えてきました。

アフタヌーンティーを提供するホテルなどの情報はこちらのようなwebサイトで簡単に調べられるようになっています。

一休・アフタヌーンティー特集


「ヌン活」の流行

最近では若い女性を中心に「ヌン活」と呼ばれるホテルやカフェのアフタヌーンティーを楽しむ活動が流行しており、2022年には流行語大賞にもノミネートされました。
ラグジュアリーなホテルで宿泊やディナーを楽しむのは金銭的にもハードルが高いですが、アフタヌーンティーならちょっとしたプチ贅沢気分をリーズナブルに楽しめる、というのが人気の理由のようです。
いわゆる「インスタ映え」するというのも重要で、2017年以降のインスタグラム人気が流行に大きな影響を与えたと言われています。
実際にインスタグラムなどのSNSで「#ヌン活」「#ヌン茶」などで検索するとたくさんの投稿がでてきます。

また、2020年以降のコロナ禍では旅行客が激減する中、ホテル側も集客を増やせるようにこうしたサービスを充実させたことが人気に拍車をかけました。

さらには、アイドルやアニメのキャラクターなどを応援する「推し活」を組み合わせるという活動も盛んです。
アフタヌーンティーの卓上セットに推しの写真やグッズなどを並べて、推しの誕生日などを祝ったりする写真をSNSでよく見かけます。
いろんなカフェがそうしたキャラクターなどとコラボしたアフタヌーンティーを提供しているのを見ることも多くなりました。

「アフタヌーンティー」は現代の日本では手軽に非日常感を楽しめるイベントとして、独自の進化をとげていっているようです。


まとめ

当店はアンティークショップなので、こうした現代的なアフタヌーンティーに使うアイテムはあまり取り扱っていませんし、今の「ヌン活」ブームは一時的なものかもしれません。
しかし、こういう形で若い人たちが少しでも英国の紅茶文化に触れて興味を持ってもらえることはとても良いことだと思っています。
実際に、本格的な英国式アフタヌーンティーを提供するティールームの数も増えてきていて、若いお客様の数も増えているようです。

もともとアフタヌーンティーは上流階級の社交場の中でも気軽に楽しめるものだったはずですし、時代とともにドレスコードはカジュアルになりマナーは簡略化しています。

社交場としてのアフタヌーンティーではなく、カフェや自宅で家族や友人たちとゆっくりと紅茶やお菓子を楽しむ、というスタイルが主流になっているようです。


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