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アンティーク シルバーカトラリーの種類

シルバーカトラリーの魅力

カトラリーとは食事に使うナイフやフォーク、スプーンなどの洋食器のことです。

カトラリーの歴史は以外と新しく、ヨーロッパでは中世頃まではナイフなどで切り取った料理を手づかみで食べていたそうです。
17世紀頃から裕福な人々の間でカトラリーが使用されるようになり、美しい装飾がほどこされたカトラリーが生み出されてきました。

特に銀細工師によって美しく装飾されたシルバーカトラリーは富の象徴でもあり、アンティークシルバーを代表するアイテムです。

 

用途と種類

カトラリーはその用途によって様々なサイズや種類のものがあります。
時代や国、メーカーによって異なりますが代表的なものを紹介します。

 

1.テーブルナイフ/フォーク

テーブルカトラリー フィッシュカトラリー

メインディッシュに使われるナイフとフォークで、食事用のものとしては一番大きなサイズです。
テーブルナイフの刃の先端は丸くなっているものが多いですが、これはフランスのルイ13世の宰相だったリシュリューが客人がナイフの先端を爪楊枝変わりに使うことをやめさせるためにナイフの先を丸く削らせたのがきっかけと言われています。

お肉などの硬いものを切るためのテーブルナイフは、使っていくうちにブレードが傷んでしまうため、当時のオリジナルが残っているのもはとても少ないです。

ブレードの形状が魚料理が食べやすいようになっているフィッシュナイフやフィッシュフォークもあり、わかりやすいように魚をモチーフとした彫刻が施されているものがあります。

 

2.デザートナイフ/フォーク

デザートカトラリー デザートカトラリー

テーブルナイフ、フォークよりも一回り小さめのカトラリーです。
ティータイムではこちらが中心に使用されます。
日本やアジアではこのサイズのものがテーブルナイフ、フォークの代わりに利用されることもあります。

 

3.スプーン

スープスプーン ティースプーン

スプーンも用途に合わせて様々なものがありますが、スープに使うスープスプーンやデザートに使うデザートスプーン、紅茶に使うティースプーンが代表的です。
ヨーロッパでは赤ちゃんが生まれたお祝いに銀のスプーンを贈る風習があり、裕福な家に生まれてきたことを「銀のスプーンをくわえて生まれてきた」とする言い回しがあります。

 

4.サービングカトラリー

サービングカトラリー サービングカトラリー

大皿から各皿へ取り分けるための大型のカトラリーです。
ケーキを取り分けるケーキサーバやトング状のものもあります。

 

ブレードの材質

ナイフやフォークの刃の部分は純銀スターリングシルバーやシルバープレート、ステンレスなどの素材が使用されます。
スプーンはハンドルと一体になっているものがほとんどですが、ナイフとフォークはブレード部分が交換できるような構造になっているものが多く、ハンドルとは異なる材質(ハンドルが純銀でブレードはシルバープレートなど)のものもあります。

 

1.純銀(スターリングシルバー)

英国アンティークのシルバーカトラリーではスターリングシルバーと呼ばれる92.5%の純度のシルバーが使用されます。
フランスやドイツなどの大陸ヨーロッパ製のものだと95%や80%のものもあります。

銀は柔らかい金属なので、硬いものを切ったり刺したりするのには向きません。ですからお肉などの硬いものを切るナイフのブレードには使われません。

 

2.シルバープレート

いわゆる「銀メッキ」のことです。
洋白と呼ばれるニッケル、銅、亜鉛の合金の表面にシルバーのメッキがほどこされています。
純銀よりも硬いので硬いものも切れますが、長年の使用でメッキが薄くなったり剥がれてしまうことがあります。

 

3.ステンレス

鉄にクロムなどを合わせた合金で耐食性が強く錆びにくい特性があります。
1910年頃から実用化されており、アンティークのカトラリーでも途中で交換されているものも含めステンレス製のブレードのものがあります。
純銀やシルバープレートに比べると丈夫でお手入れも楽ですが、硬いので彫刻などの装飾はほどんどありません。

 

ハンドルの材質とデザイン

ハンドルにはスターリングシルバーやシルバープレートの他、白蝶貝などの素材が使われているものもあります。
ブレード部分がスターリングシルバーやシルバープレートであればそれらもシルバーカトラリーの一種です。
ハンドル部分には彫刻などの美しい装飾が施されているものが多いです。

 

1.スターリングシルバー、シルバープレート

シルバーハンドル シルバーハンドル

シルバーハンドル シルバーハンドル

ハンドル部分にはパターンと呼ばれる彫刻などのデザインが施されているものが多いです。
アンティークの場合オリジナルのせっとですべての種類を揃えるのは難しいですが、パターンを揃えれば統一感が出ます。
代表的なものにクイーンズパターンやキングスパターンなどがあり、メーカーによるオリジナルデザインのパターンもあります。
19世紀後半くらいからシルバープレートのものも多くなり、純銀製のものに比べるとかなり手頃な価格で手に入れることができます。

 

2.白蝶貝(マザーオブパール)

白蝶貝ハンドル 白蝶貝ハンドル

真珠貝の一種である白蝶貝の真珠層を用いたハンドルです。
角度によって色が変わる美しい光沢がありますが、天然素材のため酢やレモンなどの酸にふれると傷んでしまったり、衝撃でヒビや欠けが生じたりとお手入れに気を使います。

 

3.その他

角ハンドル 天然石ハンドル

シルバーや白蝶貝の他、ベークライトなどの樹脂や鹿の角、陶器などが使用されているものもあります。

 

まとめ

シルバーカトラリーは用途やサイズ、デザインなどで様々な種類があるアンティークシルバーの中でも王道のアイテムです。

ティースプーンなどの小さめのスプーンであれば純銀製のものでも比較的リーズナブルな価格で手に入ります。
銀は熱伝導率の高い金属なので口当たりがよく、アイスクリームなどを食べる際にも不快な冷たさを感じません。
シルバーカトラリーの入門としておすすめです。



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