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懐中時計の種類と部品の名称

懐中時計の種類(ケースの形状)

オープンフェイス

オープンフェース


蓋がなく文字盤が風防のみで覆われたスタイルの懐中時計です。
すぐに時間が確認できるので使い勝手もよく、最も一般的なタイプです。

ハンターケース
ハンターケース

時計の表と裏の両側が蓋で覆われたスタイルの懐中時計です。
狩猟の際に風防ガラスが割れないように蓋がつけられたことが由来となっていてハンティングケースやフルハンターとも呼ばれます。
表の蓋はリューズを押すと開く機構になっています。
外装面積が大きいのでケースに彫刻などの装飾が入っているものが多くあります。

ハーフハンターケース

ハーフハンター



ハンターケースの表蓋の中央に小窓があるスタイルの懐中時計です。
デミハンターケースやナポレオンケースと呼ばれたりもします。
蓋を開けなくても小窓から時間が確認できるよう小窓周辺にもインデックスがあります。
ナポレオンケースの名前は、時計の蓋を開ける時間が惜しいほど多忙なナポレオン・ボナパルトが使っていたという逸話からついたそうです。

 

部品の名称(外部)

懐中時計のケースや文字盤などの外から見える部分の名称の一覧です。
国によって呼び方が違ったりしますが、ここでは代表的なものを取り上げています。

懐中時計の部品名称
懐中時計の部品名称
懐中時計の部品名称
ケース関連
リューズ
(竜頭)
ゼンマイを巻いたり時刻合わせに使われる部分です。
鍵巻きの時計にはありません。
英語ではクラウン(王冠)とも呼ばれます。
ハンターケースの蓋を開けるボタンにもなります。
回したり引いたりと動かすことが多く摩耗や故障が多い部品です。
ボウ アルバートチェーンや紐をかけるための輪っかの部分です。
ここも摩耗や破損が多い部品です。
ステム リューズやボウを取り付ける土台となる部品です。
ペンダント リューズ、ボウ、ステムをあわせた部分の名称です。
リューズを引き出して時刻合わせする方式をステムセットやペンダントセットとも呼びます。
風防 文字盤を保護するための部品です。
ガラス(ミネラルガラス)やプラスチック(アクリルガラス)のものがあります。
ガラスのほうが透明度が高いですが割れたり欠けたりしやすいです。
プラスチックのものは割れにくく傷が付きやすいですが、小さな傷であれば研磨剤で磨くことができます。
ハンターケースの風防は蓋との間に入れるため薄く割れやすいです。
ハーフハンターケースの場合、蓋の小窓にも風防がついています。
ベゼル 風防をはめ込むための環状の部品です。
リップ ベゼルや裏蓋を開ける際に爪やオープナー(こじ開け)を引っ掛ける部分です。
リップがなくわずかな隙間だけがある場合もあります。
蓋(表蓋) ハンターケース、ハーフハンターケースの文字盤側の蓋です。
風防ガラスが割れるのを防ぐのが目的です。
リューズを押すと開くようになっています。
裏蓋 文字盤の反対側についている蓋です。
ムーブメント(機械)を見る際に開けことがあります。
ヒンジのないものや、スクリューバックと呼ばれるねじ込み方式のものもあります。
スイングアウトなど表から機械を出す方式の場合、裏蓋がないものもあります。
ヒンジ ケースと蓋、裏蓋を接続し、開閉する際の蝶番となる部品です。
ハンターケースやハーフハンターケースの場合、ボタンを押して蓋が開きやすいようにスプリングが仕込まれています。
ダストカバー     
(内蓋)
ムーブメント(機械)を埃や水から守るため、裏蓋とムーブメントの間にある蓋です。
ないものもあります。
ここに万博受賞のロゴや持ち主の名前などが刻まれていることがよくあります。
機械が見やすいようにスケルトン仕様になっているものも稀にあります。
ボタン
(ダボ)
ネイルセット(ダボ押し)と呼ばれる時刻合わせ方式の時計についています。
小さなボタンを爪などで押しながらリューズを回すと時刻合わせができます。
1900年前後の時計に多く見られます。
レバー(剣)
※写真は下
レバーセット(剣引き)と呼ばれる時刻合わせ方式の時計についています。
レバーを引っ張り出してリューズを回すと時刻合わせができます。
引っ張り出さずにスライドさせる方式のものもあります。
鉄道時計などによく採用されています。

懐中時計の部品名称 
文字盤関連
文字盤
(ダイヤル)
時計の顔となる数字やブランド名などが刻まれている部分です。
ポーセリン(陶器)やエナメル、金属製のものなどがあります。
インデックス   文字盤に刻まれている1から12までの数字や目盛りなどの部分です。
アラビア数字、ローマ数字の他、ドットやバーなど様々なデザインがあります。
長針・短針 長針が分を指し示し、短針が時を指し示します。
様々なデザインの針があります。
スモセコ スモールセコンドの略で秒針が回って秒を指し示す部分です。
アンティークの懐中時計はクロノグラフなどの一部の時計以外はこのタイプのものが多いです。
小型の時計や古い時計は秒針がないものもあります。


基本的な名称は腕時計と同じですが、ペンダントや蓋など懐中時計特有の部品もあります。
時刻合わせの方式やインデックス、針の種類などについては今後別の記事にて説明いたします。

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